読書感想 「ドリーマーズ」柴崎友香

ドリーマーズ (講談社文庫)

ドリーマーズ (講談社文庫)

柴崎友香の短篇集「ドリーマーズ」をkindleに入れて少しずつ読んでいたのだけど、一向に読み終わらないので昨日改めて最初から一気読みしてみた。

ドリーマーズもいつもの柴崎友香らしく何気ない日常の1ページを切り取ったお話ばかりで、気付けばさらっとページをめくってしまっていたというような作品。やはり日常のリアリティある描写は絶妙で、空気のようにさらっとしている。そして、毎度のことだけどその感じがすごく好き。

今作は夢が共通のテーマとして設定されていて、その夢がいつもの日常と織り交ぜられ物語が進む。日常が夢へ、夢が日常へ切り替わるシーンの描写が上手くて、どっちがどっちか分からなくなってページを戻すことも多々あった。さらさらと淡々と読める柴崎友香作品では珍しいことだと思う。(まあ、それも何気なくめくってしまうので余計になんだろうけど)

夢自体については私が見ないタイプのものばかりで霊的なものも多かったけど、それが不思議といつもの日常をよりリアルにしているようにも。日常で考えていることだけどいざ思い出そうとすると頭のなかではすぱっと忘れてしまっているような、そんなこと、そのときの描写が文章化されているようなお話たちだったと思う。

 

柴崎さんの小説はすっと終わるので、またすぐ違う話しを読みたくなってしまうんだよね。ということで、さっそく週末カミングも読み始めた。今夜は寝れない。